テクノスピーチは2026年10月6日、歌声合成アプリ「VoiSona(ボイソナ)」のiPhone・iPad専用追加ボイスを発売しました。価格は1タイトル4,000円(税込・日本のApp Store価格)の買い切りで、月額料金はかかりません。

VoiSonaは、音符と歌詞を入力することで歌声を作れるアプリです。パソコンを使わずにiPhoneやiPadだけで作業できるため、作曲中のメロディーを確認したり、バンドメンバーに仮歌を共有したりする際にも活用できます。

自分で歌って録音する方法とは、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、新しく発売されたボイスライブラリの特徴や利用条件を紹介するとともに、歌声合成を使った仮歌制作の方法と、録音との使い分けについて解説します。

※こちらは執筆時点の情報を元に作成しております。最新の情報は公式サイトからご確認ください。

VoiSonaのアプリ本体と2種類のボイスは無料で利用できる

VoiSonaのiPhone・iPad版では、アプリ本体に加えて「知声(Chis-A)」という名称で知られる無料ボイスを利用できます。

iOS版では「知声」と「Chis-A」の2種類が無料で提供されており、追加ボイスを購入しなくても歌声合成を試せるのが特徴です。

今回発売された「iOS専用ボイスライブラリ」は、アプリ内からApple Accountを使って購入できます。

1タイトル4,000円の買い切り方式なので、購入したボイスを利用するために毎月の料金を支払う必要はありません。

項目内容
提供開始日2026年10月6日
追加ボイスの価格1タイトル4,000円(税込・日本のApp Store価格)
支払い方式買い切り・月額料金なし
購入方法iPhone・iPad版アプリ内で購入
対応機器購入時のApple AccountでサインインしたiPhone・iPad
ファミリー共有非対応
インターネット接続利用時に必要

今回の発売時点では、無料ボイスを含めて26タイトルがラインナップされています。

「さとうささら」「結月ゆかり 麗」「ずんだもん」など、さまざまな特徴を持つボイスが用意されており、日本語だけでなく英語や中国語に対応したものもあります。

また、購入前に10秒間の試聴ができるため、声の雰囲気を確かめてから選べるのもうれしいポイントです。

PCでも使いたい場合はライセンスの違いに注意

今回の4,000円の追加ボイスは、iPhone・iPadでの利用に限定された商品です。

WindowsやMacでは使用できないため、パソコンでも同じボイスを利用したい場合は、VoiSona公式サイトで販売されている通常ライセンスを選ぶ必要があります。

通常ライセンスには買い切りプランとサブスクリプションプランがあり、対応するiPhone・iPadでも利用できます。

なお、iOS専用ボイスライブラリと通常ライセンスは別の商品として扱われます。iOS専用版を購入した後に、差額を支払って通常ライセンスへ変更することはできません。

今はスマホだけで制作していても、将来的にパソコンで本格的な楽曲制作をしたいと考えている人は、購入前に利用する機器を確認しておくと安心です。

出典:テクノスピーチ公式|iOS専用ボイスライブラリ提供開始のお知らせ

声を出さずにメロディーを確認できる|仮歌制作にも便利

作曲やバンド活動をしていると、思いついたメロディーを誰かに聴いてもらいたい場面がありますよね。

例えば、新しく作った曲のサビをメンバーに共有したいときや、まだ歌詞が完成していない曲のメロディーを確認したいとき。

そんな場面で活用できるのが、仮歌です。

仮歌とは、完成前の楽曲でメロディーや歌詞、歌い方のイメージを伝えるために作る歌唱音源のこと。自分で歌って録音する方法もあれば、歌声合成ソフトを使って作る方法もあります。

VoiSonaでは、ピアノロールと呼ばれる編集画面に音符を入力し、それぞれに歌詞を設定することで歌声を作れます。

ピアノロールは、音の高さを縦方向、時間を横方向に並べた画面のことです。音符の位置や長さを調整しながら、メロディーを作っていきます。

声を出さなくても歌声を再生できるため、実際に歌うことが難しい環境でも、メロディーや歌詞の確認を進められます。

出典:VoiSona公式|iOS版クイックスタートガイド

仮歌は、目的によって作り方を選べる

歌声合成は便利ですが、必ずしもすべての場面で録音より使いやすいとは限りません。

例えば、突然思いついたメロディーを忘れないように残したいだけなら、スマホで鼻歌を録音した方が早いこともあります。

一方、音符を修正しながらメロディーを作り込みたい場合や、自分では歌えない音域を確認したい場合には、歌声合成が役立ちます。

作りたい仮歌・確認したいことおすすめの方法
思いついたメロディーをすぐ残したいスマホで鼻歌を録音する
自分の声色や歌い回しを伝えたい自分で歌って録音する
声を出せない場所でメロディーを作りたい歌声合成で音符と歌詞を入力する
自分では出せない音域のメロディーを確認したい歌声合成で再生して確認する
メロディーや歌詞を細かく修正したい歌声合成で音符や歌詞を編集する

ただし、歌声合成で再生できるメロディーが、そのまま人にとって歌いやすいとは限りません。

例えば、息継ぎする場所がなかったり、短い音符に歌詞が詰まりすぎていたりすると、実際に歌ったときに難しく感じることがあります。

特に、最終的に人が歌う予定の楽曲なら、音域やブレスの位置、言葉の発音なども考えておきたいところです。

歌声合成でメロディーの形を確認しながら、実際の歌いやすさは歌い手と相談して調整していく。そんな使い方もできると思います。

まずは無料ボイスで、サビの一部分を作ってみよう

VoiSonaが気になっている人は、最初から有料ボイスを購入する必要はありません。

無料ボイスでも歌声を作れるので、まずは短いフレーズを入力して、どのように使えるのか試してみるのがおすすめです。

例えば、制作中の曲のサビを数小節だけ作ってみましょう。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 新しいプロジェクトを作成する
    VoiSonaを起動し、新しいプロジェクトを作ります。まずはサビの数小節など、短い範囲から始めてみましょう。
  2. 音符を入力する
    ピアノロールに音符を配置し、メロディーの高さや長さを設定します。
  3. 歌詞を入力する
    音符をダブルタップして歌詞を設定します。再生しながら、音符と歌詞の位置が合っているか確認しましょう。
  4. 歌声を聴いて調整する
    実際に再生し、音程やリズム、歌詞の収まり方を確認します。気になる部分があれば、音符の位置や長さを修正します。
  5. 音声を書き出す
    メニューの「Export」から形式を選び、音声ファイルとして書き出します。

書き出した音声ファイルは、「ファイル」アプリ内のVoiSonaフォルダに保存されます。

操作画面やメニュー名はアプリの更新によって変わる場合があるため、詳しい手順は公式マニュアルも参考にしてください。

公式マニュアル|VoiSona iOS版クイックスタート

仮歌を共有するときは、確認してほしいことも伝えよう

バンドメンバーや共同制作者に仮歌を送るときは、音源だけでなく、何を確認してほしいのかも伝えておくと、やり取りがスムーズになります。

例えば、「サビのメロディーを確認してほしい」「歌詞の収まり方を聴いてほしい」「声色は仮なので、音程とリズムを中心に確認してほしい」などです。

仮歌は、必ずしも完成した歌唱を再現するためだけのものではありません。

楽曲制作の途中で、メンバー同士がイメージを共有するためにも役立ちます。

伝えたいポイントを少し明確にするだけでも、相手から具体的な意見をもらいやすくなると思います。

自分の歌い方を伝えたいなら、録音する方法もおすすめ

仮歌を作る方法として、自分で歌って録音する方法もあります。

例えば、iPhoneで利用できる無料アプリ「GarageBand」なら、内蔵マイクを使って歌声を録音できます。

別途レコーディング機材を用意しなくても、手元のiPhoneで歌声を残せるため、メロディーや歌い方のアイデアを共有したいときにも便利です。

出典:GarageBand|App Store、Apple公式|Audio Recorderの使い方

特に、自分ならではの歌い回しや、声の強弱、フレーズのニュアンスを伝えたいときは、実際に歌って録音した方がイメージを共有しやすい場合もあります。

録音するときは、声が大きすぎて音が割れていないか、伴奏に埋もれて歌詞が聞き取りにくくなっていないかなどを確認してみてください。

もちろん、録音環境にこだわれば、よりクリアな音源を作ることもできます。ただ、仮歌の目的がメロディーや歌い方の共有であれば、最初から高価なマイクや機材をそろえる必要はありません。

まずは手元にある環境で試してみて、必要になった段階で機材を検討するのもよいでしょう。

歌声合成も録音も、音楽制作を進めるための選択肢

今回のVoiSonaの新商品は、iPhone・iPadで利用できる追加ボイスが、1タイトル4,000円の買い切りで購入できるようになったというニュースです。

アプリ本体と無料ボイスも用意されているため、歌声合成を初めて使う人でも、まずは費用をかけずに基本的な操作を試せます。

歌声合成には、声を出さずにメロディーを確認できたり、音符を修正しながら曲を作れたりする便利さがあります。

一方、自分で歌って録音する方法には、その人ならではの声色や歌い回しを伝えやすいという良さがあります。

どちらか一方に決める必要はなく、制作する曲や、そのときの目的に合わせて使い分けてもよいと思います。

大切なのは、ツールを使うこと自体を目的にするのではなく、自分が作りたい音楽にどう役立てられるか。

例えば、メロディーを考える段階では歌声合成を使い、曲のイメージが固まってきたら自分で仮歌を録音する。そんな組み合わせ方もできます。

これまでパソコンでの音楽制作にハードルを感じていた人にとっても、スマホやタブレットから歌声合成を試せるのは、新しい選択肢になりそうです。

VoiSonaが気になる人は、まず無料ボイスで短いフレーズを作ってみてはいかがでしょうか。

なお、制作した音源を公開・販売する場合は、使用するボイスライブラリの利用規約や、楽曲・伴奏などの権利関係も事前に確認しておきましょう。

VoiSona公式サイト

VoiSona|App Store